2026年10月31日

朝、顔を洗って口をゆすいだ瞬間に「キーン」。冷たい飲み物を口にすると、いつも同じ歯がしみる。「すぐに治まるから大丈夫かな」「知覚過敏の歯みがき粉に変えればいいのかな」と、気になりながら過ごしていませんか。
歯がしみるときには、知覚過敏のほか、むし歯や歯のひび、詰め物の周囲の変化など、いくつかの可能性があります。症状だけで決めつけず、どんな場面でしみるのかを手がかりに、お口の状態を一緒に確認していきましょう。
「しみる=むし歯」とは限りません
歯の表面を覆うエナメル質の内側には、象牙質という組織があります。歯ぐきが下がって歯の根元が露出したり、歯の表面がすり減ったりすると、冷たい水や歯ブラシなどの刺激が伝わりやすくなることがあります。むし歯や歯の神経の炎症などがなく、こうした刺激で一時的に痛む状態を「知覚過敏」と呼びます。
ただし、むし歯でも似たようなしみ方をすることがあります。「短い痛みなら知覚過敏」「強くしみるならむし歯」と、ご自身で区別するのは難しいものです。痛みの長さは大切な手がかりですが、それだけで診断はできません。
こんな場面はありませんか?しみ方を整理してみましょう
冷たい水や歯ブラシが触れたときだけ、ピリッとする
歯の根元などに刺激が伝わりやすくなっている可能性があります。歯ぐきの位置や歯のすり減り、歯みがきの力加減を確認します。「この歯の、歯ぐきに近いところ」と分かれば、そのままお伝えください。
詰め物のある歯がしみる、噛んだときも気になる
詰め物の周囲のむし歯や歯のひび、噛む力のかかり方などを調べます。治療を受けたばかりなら、いつ、どのような処置を受けたかも参考になります。しみる歯を何度も噛みしめて確かめる必要はありません。
刺激がなくなっても痛みが残る、何もしていなくても痛む
歯の神経などの状態を確認した方がよい症状です。繰り返す場合や痛みが強くなる場合は、歯みがき粉だけで様子を見続けず、早めにご相談ください。夜眠れないほど痛む、腫れがある、食事が難しいときは、予約日を待たずにまずお電話で状況をお知らせください。
受診までの間は、刺激を減らしながら清潔に
冷たい水がつらいときは、常温の水やぬるま湯でゆすいでみましょう。しみる場所を避けて歯みがきをやめてしまうと、汚れが残りやすくなります。歯ブラシを軽く持ち、毛先を強く押しつけずに磨いてみてください。それでも痛くて磨けないときは、無理を重ねず、使う道具や磨き方を相談しましょう。
知覚過敏用の歯みがき剤が役立つ場合もあります。製品の使い方に沿って使用し、症状が続くときや変化するときは、お口の確認を受けましょう。使っている歯みがき剤の名前や写真があると、ご相談の際にも参考になります。
酸味のある飲み物を少しずつ長時間飲む習慣がある方は、飲む回数や時間帯も振り返ってみましょう。何か一つを我慢するだけで解決しようとせず、続けやすい工夫を一緒に探していくことが大切です。
当院では、しみる場所だけでなく背景も確認します
福岡南区あつみ歯科医院では、まずお話を伺い、何を確かめるための検査なのかをご説明します。歯の表面、歯ぐき、詰め物の状態を確認し、必要に応じてレントゲンなどの検査を組み合わせます。
歯みがきの仕方や飲食の習慣に加え、歯のすり減り、歯ぎしりや食いしばり、特定の歯への力のかかり方も確認することがあります。噛み合わせだけを原因と考えるのではなく、複数の面から、その歯に何が起きているのかを整理します。
その結果に合わせて、歯みがき指導、刺激を伝わりにくくする薬剤の塗布や露出部分の保護、むし歯の治療などを検討します。詰め物や噛む力への対応が必要な場合も、理由や選択肢をお伝えし、ご希望を伺いながら進めます。
目指すのは、今のつらさを和らげることと、同じ困りごとを繰り返しにくいお口の環境づくりです。そのためにどのようなケアや治療が合うのか、一緒に考えていきましょう。
「どの歯か分からない」ままでもご相談ください
受診の際は、①いつ頃から、②冷たい物・温かい物・歯みがき・噛むときのどれで、③すぐ治まるか、しばらく残るか、を分かる範囲でお伝えください。「右上の辺り」「朝のうがいで気になる」といった言葉で大丈夫です。
普段の食事や歯みがきを、気持ちよく続けられるように。しみる原因と、ご自身に合った対処方法を確かめていきましょう。