2026年8月28日

「根の治療で、口にシートをかけると言われた」「息苦しくならないかな?」「何のために使うの?」。初めて聞く器具や処置には、気になることがありますよね。
ラバーダムは、治療する歯を唾液から隔離し、細かい器具や薬液からお口を守るために使うシートです。福岡南区あつみ歯科医院では、保険治療・自費治療にかかわらず、根管治療の際にラバーダムを使用します。使用する目的や進め方をご説明します。気になる感覚や苦手なことも、遠慮なくお知らせください。
根の治療でシートをかけるのは、なぜ?
歯の内部には、神経や血管を含む歯髄(しずい)が通る細い管「根管」があります。根管治療では、炎症や感染の状態を確認し、必要な歯髄の処置や根管の清掃・洗浄、詰める処置を行って、歯を残すことを目指します。[3]
お口の中の唾液には細菌が含まれています。そこで、穴を開けたシートを歯の周りにかけ、留め具などで固定し、処置する歯を周囲から隔離します。このような「治療する場所を湿気や唾液から守ること」を、防湿(ぼうしつ)といいます。ラバーダム防湿は、根管治療で大切にされている感染対策の一つです。[1]
ラバーダムには、どのようなメリットがある?
| 主な役割 | 治療中に役立つこと |
|---|---|
| 唾液による汚染を抑える | 根管へ唾液中の細菌が入り込むのを抑え、清掃・洗浄を行う環境を整えます。 |
| 器具や薬液からお口を守る | 小さな器具が喉の方へ落ちることや、洗浄に使う薬液が粘膜に触れることを防ぐために役立ちます。 |
| 処置する歯を見やすくする | 舌や頬などと治療部位を隔て、処置する範囲を確認しやすくします。 |
米国歯内療法学会(AAE)は、外科的処置によらない根管治療において、ラバーダムによる隔離を標準的で重要な処置と位置づけています。器具の管理やシートの固定、薬液の扱いも含めて、治療環境を整えます。[1]
息苦しさや痛みが心配なときは、どうする?
シートで口元が覆われる感覚、留め具が歯の周りに当たる感覚、口を開け続けることが気になる方もいます。鼻づまりがある、口元を覆われるのが苦手、顎が疲れやすいなどのことは、装着前にお伝えください。
治療を始める前に、いったん止めてほしいときの合図を相談しておきましょう。装着中に苦しさや痛みがあれば我慢せず合図をしてください。状態を確認し、装着方法や休憩、治療の進め方を調整します。
根管治療で局所麻酔が必要かどうかは、歯や周囲の組織、予定する処置によって異なります。シートを使うことと、治療する場所の痛みへの配慮は、それぞれ確認して進めます。
ゴムアレルギーがある場合も相談できる?
はい。ラバーダムには天然ゴム(ラテックス)製のほか、ラテックスを含まない製品もあります。ゴム手袋や風船などで、かゆみ・じんましん・息苦しさが出た経験があれば、必ず事前にお知らせください。診断を受けている場合は、その内容も教えてください。[2]
アレルギーの内容を確認し、シートに加えて手袋などの使用物品も含め、対応を検討します。「アレルギーがあるから治療できない」と決めつけず、まずは予約時に相談してください。院内での対応が難しい場合は、適切な医療機関への相談も含めて考えます。
歯が大きく欠けている場合は、先に準備が必要なことも
ラバーダムをかけるには、シートを保持し、治療する場所を周囲から隔てられる状態を整えることが大切です。残っている歯が少ないときなどには、樹脂などで歯の周囲に壁を作る「隔壁(かくへき)」などの前処置を検討します。
どのような準備が必要か、歯を残して修復できるかを確認したうえで、治療計画をご説明します。前処置による回数や費用の変化も、この段階で確認しましょう。綿で唾液を吸収する方法が、ラバーダムと同じ隔離を行えるという意味ではありません。
治療した歯を大切にするために、ほかに確認することは?
ラバーダムで治療環境を整えることに加えて、根管の形や感染の状態に応じた処置、治療後の詰め物・被せ物、その後の管理をつなげて考えます。ご自身の歯では何が大切になるのか、一つずつ確認していきましょう。
特に、むし歯や過去の処置で歯が大きく失われている場合は、残った部分を守る修復方法を考えることが重要です。歯の状態に応じて、被せ物などで噛む力に配慮した形へ整えます。歯ぎしりや噛み合わせに気になる点があれば、それも確認します。根管治療を受けたすべての方に、矯正治療が必要になるわけではありません。[3]
治療中に痛みが落ち着いても、仮の蓋の段階か、最終的な修復まで終わったのかは別の確認事項です。通院が難しくなったときは、次の予約や進め方を相談してください。仮の蓋が外れた場合や、痛み・腫れが強くなる場合も、予約日を待たずにご連絡ください。
保険でも使える?費用と通院回数の確認ポイント
当院では、保険治療・自費治療にかかわらず、根管治療の際にラバーダムを使用します。「ラバーダムを使う治療は自費だけなのかな」と気になっている方も、ご相談ください。
今回確認した公式料金表からは、ラバーダムや根管治療について一律の治療総額をご案内できないため、具体的な金額は診察後にご説明します。保険の適用、自己負担割合、前処置、根管治療、土台、詰め物・被せ物を含めて、どこまでが見積もりに含まれるかを確認しましょう。
通院回数や期間は、根管の複雑さ、感染や症状、初めての治療か再治療か、前処置や修復の内容によって変わります。ご自身の治療の見通しや、1回の予約時間についても、遠慮なくお尋ねください。
ラバーダムと根管治療について、よくある質問
Q. シートをかければ、根の治療が早く終わりますか?
ラバーダムは、主に治療する環境を整え、お口を保護するために使います。処置に必要な回数は、歯の状態や治療内容に合わせてご案内します。
Q. 鼻が詰まっている日でも、そのまま受診してよいですか?
予約前にお電話で体調をお知らせください。鼻づまりの程度や治療内容を踏まえ、予定どおり進めるか、日程や方法を調整するかを相談します。
Q. 歯が小さくなっていても、シートをかけられますか?
歯の残り方を確認し、隔壁などの準備を検討する場合があります。歯を残して修復できるかも含め、診察してから計画します。
Q. ラバーダムを使うと、再発を防げますか?
治療中に唾液から細菌が入り込むのを抑える、大切な役割があります。さらに根管内の処置、歯のひびの有無、治療後の修復やお手入れまで確認することで、その歯を長く使うための条件を整えていきます。
Q. 治療中、痛みや苦しさを伝えてもよいですか?
もちろんです。事前に合図を決め、休憩や調整が必要なときに伝えられるようにしておきましょう。「口に器具があると言いにくい」ということも、装着前にお話しください。
福岡市南区で、根の治療について相談したい方へ
「何をされるのかわかると、少し安心できそう」「以前の治療で、苦手だったことがある」。そのようなお気持ちもお聞かせください。福岡南区あつみ歯科医院では、お口の状態と治療の目的を共有しながら、大切な歯を残すための方法を一緒に考えます。
当院の根管治療について/初診のWEB予約
電話:092-707-9515。急患・当日のご予約はお電話でお問い合わせください。
参考資料
[1]米国歯内療法学会(AAE):Dental Dams(2024年)
[2]米国歯内療法学会(AAE):Natural Rubber Latex Allergy(2024年)
[3]日本歯内療法学会:歯内療法に関するQ&A