2026年8月18日

はじめに:子どもの歯のガタガタ、「成長すれば自然に並ぶ」は本当?
「乳歯のときはきれいだったのに、大人の歯が生えてきたらガタガタになってきた……」 「歯が重なって生えていて、歯ブラシが届きにくくて心配」
お子様の前歯が生え変わる時期を迎えると、このように歯並びの乱れに気づく親育さんは非常に多いです。「もう少し成長すれば、あごも大きくなって自然に並ぶのかな?」と様子を見てしまいがちですが、実は何もしないままでは歯が並ぶスペースが足りず、ガタガタのまま固定化してしまうことがほとんどです。
歯科医療では、このように歯が重なり合って生えている状態を「叢生(そうせい)」と呼びます。
なぜ現代の子どもたちには、ガタガタの歯並び(叢生)が増えているのでしょうか。その背景には、日頃の「食事(よく噛むこと)」によるあごの骨の成長不足や、唇と舌の「お口のまわりの筋肉のバランス」が深く関係しています。
今回は、歯がガタガタになる原因と、あごを正しく育てるための生活のヒント、そして矯正治療での解決法について分かりやすく解説します。
図解:歯並びを支える「お口の力のバランス」
まず、お口のまわりの筋肉や舌の力が、どのように歯並びに影響を与えているのか、以下のイラストをご覧ください。

イラストの解説
歯並びは、この**「内側からの力」と「外側からの力」のバランスが調和したきれいな境界線上**に、一列に並ぶようになっています。
① 舌の押し出す力(内側からの赤矢印): お口を閉じているとき、舌は上あごの天井部分にぴったりとつき、内側からあごを広げ、歯を外側へ押し出す力をかけています。
② 唇・頬の押さえる力(外側からの青矢印): 唇や頬の筋肉は、内側から押し出される歯を外側からしっかりと押さえ、歯が前に飛び出しすぎないようにストッパーの役割を担っています。
ガタガタ歯(叢生)を引き起こす2つの根本的な原因
歯がガタガタに重なって生えてしまうのは、歯の大きさに対して、土台である「歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)」が小さすぎるために起こります。その原因は大きく分けて2つあります。
原因①:現代の「柔らかい食事」によるあごの成長不足
あごの骨は、ただ年齢を重ねるだけで大きくなるわけではありません。食事のときに「よく噛む」ことで生じる刺激や筋肉の動きが、あごの骨(歯槽骨)に伝わることで初めて、あごは健全に成長し、横幅を広げていきます。
しかし、現代の食生活はハンバーグやパン、パスタなど、あまり噛まなくても飲み込める柔らかいメニューが増えています。噛む回数やあごにかかる負荷が圧倒的に減ってしまったため、現代の子どもたちのあごの骨は十分に発育できず、小さくてシャープなあごになり、大人の歯が並ぶスペースがなくなっているのです。
原因②:口呼吸や姿勢の崩れによる「筋肉のバランス崩壊」
上記のイラストで説明した「唇と舌の力のバランス」が、日常の悪いクセによって崩れることも原因です。
子どもの矯正(小児矯正)と大人の矯正(成人矯正)の違い
ガタガタの歯並び(叢生)を治療する方法は、年齢の段階によってアプローチが大きく異なります。
・お口ポカン(口呼吸): いつもお口が開いていると、外側から歯を押さえる「唇の力」が働きません。これにより、前歯が外側に飛び出して出っ歯になったり、逆に歯を支える土台が狭くなったりします。
・低い舌の位置(低位舌): 舌が上あごの天井につかず、下に落ちていると、内側から上あごを広げる力がかかりません。あごが狭いまま成長するため、歯が並びきらずにガタガタになります。
1. 小児矯正(子どもの矯正:第1期治療)
・目的:あごの骨がまだ柔らかい成長期(主に6歳〜9歳頃)に、**「あごの骨を広げて、歯が並ぶ土台をつくる」**治療です。
・アプローチ: 取り外し式の装置(床装置など)を使ってあごの横幅をゆっくり広げると同時に、よく噛む食生活へのアドバイスや、正しい舌の位置・鼻呼吸を身につけるトレーニング(バイオファンクショナルテラピー)を行います。
・メリット:骨格の段階から改善できるため、将来大人の歯が生え揃ったときに、健康な歯を抜かずにきれいに並べられる可能性が向上します。
2. 成人矯正(大人の矯正:第2期治療)
・目的:あごの成長が完了した骨の中に、**「個々の歯を動かしてきれいに並べる」**治療です(中学生・高校生以降〜大人)。
・アプローチ: 歯の表面に装置をつけるワイヤー矯正や、目立ちにくい透明なマウスピース矯正を行います。
注意点:あごのサイズ自体を広げることはできないため、極端にスペースが足りない場合は、健康な歯を何本か抜いてスペースを作ってから並べる「抜歯矯正」が必要になることがあります。
まとめ:よく噛む食事と、お口を閉じる習慣がきれいな歯並びを作る
お子様のガタガタした歯並び(叢生)を防ぎ、健康な発育を促すためには、日頃のご家庭での生活習慣がとても大切な土台になります。
・食事の際は、少し噛みごたえのある食材(根菜類など)を取り入れ、**「よく噛んで食べる」**ことを意識する。
・テレビを見ているときなどに**「お口を閉じて鼻呼吸をする」**ように声をかける。
あごの骨がこれから大きく成長する子どもの時期は、これらの生活の工夫とお口の筋肉トレーニングによって、あごの発育を大きくサポートすることができます。
「歯が少しデコボコしてきたかな?」と感じたら、あごの成長のチャンスを逃さないためにも、まずは一度、お口の状態を専門医に診てもらうことをお勧めします。
福岡市南区でお子様の歯並びや小児矯正のご相談なら「福岡南区あつみ歯科医院」へ
私たち「福岡南区あつみ歯科医院」では、お子様お一人おひとりのあごの成長段階や骨格のバランスを精密に分析し、ガタガタ歯(叢生)の根本原因となる「あごの成長不足」や「お口の筋肉のバランス」にアプローチする小児矯正を行っています。
ただ歯を並べるだけでなく、よく噛む食事(食育)のアドバイスや、正しい舌の位置・鼻呼吸を身につける筋肉トレーニング(バイオファンクショナルテラピー)を取り入れ、あごが正しく発育する健康的な土台づくりをトータルでサポートいたします。
当院では無料相談を受け付けています。