2026年10月04日


「お肉や野菜を食べると、いつも同じところに挟まってしまう」
「食後は気になるけれど、取れれば痛くないし、そのままでいいのかな?」
こんな小さな困りごとはありませんか。毎日のことになると、食事の楽しさが少し減ってしまうかもしれませんね。
食べ物が挟まることも、歯科医院で相談していただいて大丈夫です。原因は一つではなく、お口の状態によって対応も異なります。まずは、ご自身のお口で何が起きているのか、一緒に確かめていきましょう。
なぜ、同じところに食べ物が挟まるのでしょう?
隣り合う歯の接し方や形、歯ぐきの状態は、食べ物の挟まりやすさに関係します。例えば、次のようなことが考えられます。
・歯と歯の接している部分がゆるくなっている
・詰め物や被せ物の形、隣の歯との接し方が合っていない
・むし歯によって歯の形が変わっている
・歯ぐきが下がり、歯と歯の間にすき間ができている
・歯の位置や噛み合わせが、食べ物の入り込み方に関係している
繊維の多い食べ物が一時的に挟まる場合もあるため、「挟まる=むし歯」「歯並びが悪いから」とは限りません。いつから、どの場所に、どのような食べ物が挟まるのかを確認することが、原因を考える手がかりになります。
歯と歯の間に上から食べ物が押し込まれる場合と、歯ぐきが下がった部分のすき間に食べ物が入り込む場合では、確認するポイントも異なります。ご自身で原因を決めなくても大丈夫です。気になる場所を診察で一緒に確かめましょう。
取れれば、そのままでも大丈夫?
一度だけ挟まり、やさしくお手入れをして違和感がなくなった場合は、まず様子を見ることもあるでしょう。
ただ、同じ場所で何度も繰り返すときや、以前は気にならなかった場所に挟まるようになったときは、一度ご相談ください。食べ物が押し込まれる刺激や、清掃しにくい状態が続くことで、歯ぐきの痛みや炎症につながることがあります。
「食べるたびに取っているから大丈夫」と思っていても、毎回お手入れが必要になること自体が負担ですよね。困りごとを減らす方法があるか、歯や歯ぐきの状態を確かめてみましょう。
ご家庭では、無理をせずやさしくお手入れしましょう
歯と歯の間は、歯ブラシだけでは十分に清掃できない場所です。狭い部分にはデンタルフロス、すき間がある部分には適切なサイズの歯間ブラシなど、お口に合った道具を選びましょう。
フロスは勢いよく押し込まず、ゆっくり動かして歯と歯の間を通します。歯ぐきへ強く当てず、それぞれの歯の側面に沿わせてやさしく清掃してください。
歯間ブラシは、入らない場所へ無理に押し込まないことが大切です。大きすぎるものは歯ぐきなどを傷つけることがあるため、サイズや使い方を歯科医院で確認すると取り組みやすくなります。
気になるからといって、先のとがったもので強くほじるのは控えましょう。取り除けないときや、痛みがあるときは、無理を続けずにご相談ください。
「いつも同じ場所でフロスが引っかかる」「糸がほつれる」という変化も、診察の際に教えてください。それだけで原因は判断できませんが、詰め物や歯の状態を確認する手がかりになります。
食べ物が取れたかどうかだけでなく、歯の側面の汚れを落とすことも日々のお手入れの目的です。難しい場所があれば、普段使っている道具を持参していただいてもかまいません。続けやすい方法を相談してみましょう。
こんなときは、歯科医院で相談してみましょう
・同じ場所に何度も食べ物が挟まる
・挟まると痛み、取り除いても違和感が残る
・歯ぐきからの出血や腫れがある
・詰め物や被せ物を入れてから、気になるようになった
・噛みにくさや、歯のぐらつきを感じる
こうした変化があれば、定期健診を待たずに相談する目安になります。強い痛みや顔の腫れ、発熱を伴う場合は、早めに歯科医院へ連絡してください。
受診の際は、うまく説明しようとしなくても大丈夫です。「右下の奥歯にお肉が挟まる」「先月くらいから気になる」といった、普段感じていることをそのままお聞かせください。
歯科医院では、どのようなことを確認するのでしょう?
まず、気になる場所の歯と歯の接し方、むし歯の有無、詰め物・被せ物、歯ぐきの状態などを確認します。必要に応じて、歯周ポケットの検査やレントゲン撮影を行い、見た目だけでは分からない部分も調べます。
そのうえで、お手入れ方法の見直しで対応できるのか、むし歯や歯周病の治療が必要なのか、詰め物などの調整・再治療を検討するのかを考えます。
食べ物が挟まるからといって、必ず詰め物を交換したり、矯正治療を行ったりするわけではありません。経過を確認していく場合もあります。今の状態と、対応する場合の利点や注意点をご説明し、ご希望も伺いながら方法を考えていきます。
毎日の食事を、少しでも気持ちよく楽しむために
福岡市南区の福岡南区あつみ歯科医院では、気になる場所を確認するとともに、必要に応じて周囲の歯や噛み合わせにも目を向けています。
食べ物が挟まる原因を考えるうえで、歯の形や歯ぐきだけでなく、歯の位置や力のかかり方が関係している場合もあるためです。噛み合わせだけに原因を求めるのではなく、お口全体の状態を確認することを大切にしています。
「こんなことで相談してもいいのかな」と遠慮なさらず、毎日の食事で気になることをお聞かせください。これからも気持ちよく食事を楽しめるよう、ご自身に合ったお手入れや、必要な対応を一緒に考えていきましょう。
参考資料
厚生労働省 e-ヘルスネット「歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-008.html
日本歯科医師会「歯科健診を定期的に受けよう」
https://www.jda.or.jp/go/check.html
加藤均ほか「続・咀嚼時,主機能部位の観察―食片圧入との関係―」1999年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sgf1994/5/2/5_2_125/_article/-char/ja/
確認日:2026年10月4日。咬合に関する論文は古い限定的な研究として参照し、全症例の原因や治療効果へ一般化しない。