2026年7月22日

「うちの子、ふとした時に口が半開きになっている……」
「前歯の間にすき間があって、麺類を噛み切りにくそうにしている」
「受け口っぽい気がするけれど、成長とともに自然に治るのかな?」
お子さまと過ごす日常の中で、このようなお口元や噛み合わせの違和感に気づいたことはありませんか?
実は、歯並びやあごの形を左右する隠れた重要スポット、それが「舌(した)の位置」です。
普段何気なく過ごしているとき、お子さまの舌がお口の中のどこにあるか意識したことはありますでしょうか。実は、舌の位置が本来あるべき場所から下がってしまうと、受け口(反対咬合)や開咬(かいこう:前歯が噛み合わない状態)といった、お口の成長におけるトラブルを引き起こす大きな原因となります。
この記事では、「舌の正しい位置」とはどこなのか、舌の位置が悪いとどのような影響が出るのか、アンド将来の大がかりな治療を避けるために「今ご家庭で取り組める対策」について丁寧にご紹介します。
1. 今すぐチェック!舌の正しい位置(スポット)とは?
お口を軽く閉じてリラックスしているとき、あなたの舌の先はどこに触れていますか?
実は、舌の正しい位置は「上あごの天井部分」です。
具体的には、上の前歯のすぐ後ろ(少し膨らんでいる部分)に舌の先がちょんと触れ、舌全体が上あごの天井にピタッと吸着している状態が理想的です。この位置を歯科では「スポット」と呼びます。
危険な「低位舌(ていいぜつ)」とは?
一方で、舌が上あごに届かず、下のあごに落ち込んでしまっている状態を「低位舌(低い位置にある舌)」と呼びます。
「うちの子、普段から口が開いているかも」「食べ物を飲み込むときに舌が見える」という場合、この低位舌になっている可能性が高いため注意が必要です。
2. 舌の位置が悪いと起こる!お口の成長トラブル
なぜ舌の位置が下がると、歯並びやお口の成長に悪影響が出してしまうのでしょうか?
それは、私たちのあごの骨や歯並びが「舌(内側からの力)」と「唇や頬(外側からの力)」のバランスによって作られているからです。
舌が正しい位置(上あご)にあると、舌が内側から上あごを押し広げるクッションのような役割を果たし、あごが健康的に横へ成長します。しかし、舌が下に落ちてしまうと、次のようなトラブルを引き起こしやすくなります。
① 受け口(反対咬合)になりやすい
舌が下のあごの位置に留まっていると、飲み込むたびに舌が下の前歯を押し出す力が働いてしまいます。その結果、下のあごや前歯が過剰に前に押し出され、下の歯が上の歯より前に出てしまう「受け口」の原因になります。
② 開咬(前歯が噛み合わない状態)になりやすい
食べ物や唾液を飲み込むときに、前歯のすき間に舌を挟み込む癖がつくと、上下の前歯が噛み合わなくなる「開咬」を引き起こします。前歯で食べ物を噛み切りにくくなったり、サ行やタ行などの発音が漏れやすくなったりします。
③ 面長な顔立ちや「ポカン口(口呼吸)」になりやすい
上あごが舌によって押し広げられないため、あごが狭く成長し、永久歯がきれいに生え揃うスペースがなくなってデコボコな歯並び(乱ぐい歯・出っ歯)になりやすくなります。また、お口周りの筋肉が緩むため、常に口が開いた口呼吸になりがちです。
3. なぜ舌の位置が下がってしまうの?主な3つの原因
お子さまが低位舌になってしまう背景には、日常生活の中でのちょっとした習慣や環境が関係しています。
原因1:お口の周りの筋力不足
現代の食生活は柔らかい食べ物が増えたこともあり、しっかり噛む機会が減っています。そのため、舌や唇、お口の周りの筋肉(口輪筋)が十分に発達せず、舌を上あごまで引き上げて保持する筋力が不足してしまうのです。
原因2:鼻づまり・アレルギーによる口呼吸
アレルギー性鼻炎やアデノイド(鼻の奥の病気)などで鼻づまりがあると、息をするためにどうしても口呼吸になります。口で息をするためには舌を下げる必要があるため、慢性的な口呼吸が低位舌を定着させてしまいます。
原因3:指しゃぶりや爪噛みなどの癖
長期間の指しゃぶりや爪噛み、唇を噛む癖などは、歯並びを歪めるだけでなく、舌の正しい動きを妨げる原因になります。
4. 今から取り組める!ご家庭でできる対策とアドバイス
お子さまのあごの骨が柔らかく、これからぐんぐん成長していく時期(特に幼児期〜小学生頃)だからこそ、早期に舌の位置を整えてあげることが非常に効果的です。
ご家庭で今日から始められる対策をご紹介します。
① 正しい位置(スポット)を意識する声かけ
「お口を閉じるとき、舌の先は上の前歯の後ろにつけておこうね」と教えてあげましょう。テレビを見ているときや読書中など、ボーッとしているときにポカン口になっていたら、優しく声をかけてあげてください。
② 「あいうべ体操」でお口の筋トレ
お口の周りと舌の筋肉を鍛える体操です。1日30回を目安に、親子で楽しく行ってみましょう。
③ 姿勢を良くして「噛み応え」のある食事を
猫背になると、構造上どうしてもあごが前に出て口が開きやすくなり、舌も下に落ちてしまいます。食事のときは足の裏がしっかり床につく高さの椅子に座り、良い姿勢を保ちましょう。また、少し大きめに切った野菜など、噛み応えのある食材を食卓に取り入れることも効果的です。
5. まとめ:子どものすこやかな成長は「舌の正しい位置」から
子どもの歯並びや噛み合わせの問題は、決して「遺伝だから仕方ない」というものばかりではありません。
あごの骨が柔軟な成長期に入る前に、お口まわりの筋力や癖を整えてあげることは、将来的に歯を抜くような大がかりな矯正治療や手術を避けられる可能性をぐっと高めてくれます。
まずは、日常の中で「うちの子、舌はどこにあるかな?」とお口の様子を観察してみることから始めてみてください。
あつみ歯科医院では、歯並びの見た目だけでなく、その根本原因となる「舌の動き」「口呼吸の有無」「お口まわりの筋肉のバランス」まで丁寧にご確認しています。
「うちの子の癖、大丈夫かな?」
「受け口になりかけている気がして心配……」
そのような不安をお持ちの親御さまは、どうぞ一人で悩まずにご相談ください。お子さまが楽しく笑顔でトレーニングに取り組めるよう、スタッフ一同しっかりサポートいたします。
当院では無料相談を受け付けています。