2026年9月04日

「前回、歯石を取ってもらったのに、次は歯ぐきの奥のお掃除と言われた」「麻酔をするほど痛いのかな……」。次の予約を前に、こんなことが気になっていませんか?
どこを、何のために治療するのかが分からないと、不安になりますよね。歯ぐきの奥の歯石取りであるSRPは、歯を支える歯ぐきの炎症を改善するための基本的な治療です。痛みが心配な場合には、局所麻酔などを相談しながら進めます。
今回は、福岡南区あつみ歯科医院が、SRPと普段の歯石取りとの関係、麻酔の考え方、治療後の過ごし方をお伝えします。ご自身が気になるところから、一緒に確認していきましょう。
SRPとは?「歯ぐきの奥のお掃除」をする理由

SRPは、スケーリング・ルートプレーニングの略称です。歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの中を、専用の器具で清掃する処置を指します。歯の根の表面に付着した歯石や細菌のかたまりを取り除き、歯ぐきが回復しやすい環境を整えることが目的です。
歯石は歯ブラシだけでは落とせず、深いポケットの中も、ご家庭では十分に清掃しにくい場所です。「毎日みがいているのに」と感じる方も、ご自身を責める必要はありません。歯みがき指導で日々のお手入れを見直しながら、届きにくい部分を歯科医院で補いましょう。
なお、スケーリングという言葉は、歯ぐきの上だけでなく、下の歯石を取る処置にも使われます。「表面の掃除と奥の掃除は、まったく別の治療」と考えるより、汚れの位置や歯ぐきの状態に合わせて清掃する範囲・方法が変わる、と捉えると分かりやすいでしょう。
SRPは麻酔なしでもできる?痛みは我慢しなくていいの?
麻酔を使うかどうかは、処置する場所や深さ、炎症の程度、痛みの感じ方などを踏まえて判断します。麻酔を使わずに対応できる場合もあれば、局所麻酔を使って痛みを抑えながら進める場合もあります。ほかの人が麻酔なしだったからといって、ご自身も合わせる必要はありません。
炎症のある歯ぐきは刺激に敏感になり、器具が触れたときにチクチクすることがあります。また、歯の根の部分がしみる方もいらっしゃいます。「痛みに弱いので心配です」「前の歯石取りでつらかったです」と、始める前に伝えておきましょう。どのような場面が苦手か分かると、配慮の方法も相談しやすくなります。
治療中も、痛みを感じたら遠慮なく知らせてください。あらかじめ「つらいときは左手を上げる」などの合図を決めておくと、お口を開けていても伝えやすいですね。麻酔の効き方を確認し、必要に応じて処置をいったん止める、麻酔や進め方を調整するといった対応を相談できます。
麻酔の注射そのものが苦手な方へ
「歯石取りより、注射が怖い」というお気持ちも、ぜひお聞かせください。当院では、注射の刺激を和らげるために表面麻酔を使うなど、痛みへの配慮を行っています。ただし、感じ方には個人差があるため、「必ず無痛」とお約束するものではありません。
以前の麻酔で気分が悪くなった経験、持病、服用中のお薬、アレルギーなども事前にお伝えください。ご自身でお薬を中止せず、お薬手帳などをもとに確認していきましょう。
何回も通うのはなぜ?次の見通しを聞いてみましょう
SRPは、歯石の付いている範囲や処置に必要な時間、お口を開け続ける負担などに応じて、場所を分けて行うことがあります。歯周病の状態は一人ひとり異なるため、必要な回数も一律ではありません。
お仕事や家事の合間に通う方にとって、先の予定が分かることも大切ですね。「今日はどのあたりを治療するの?」「次回は何をするの?」「全体ではどのくらいかかりそう?」と、気になることを確認しましょう。見通しを共有しておくと、通院の予定も立てやすくなります。
SRPのあとにしみる・歯ぐきが下がったと感じたら
治療後に、冷たいものがしみたり、歯ぐきに違和感が出たりすることがあります。歯石が取り除かれたことや、炎症による腫れが落ち着いて歯の根が見えやすくなったことが、理由の一つです。歯が長くなったように見えたり、歯と歯の間のすき間が気になったりする場合もあります。
「きれいにしたのに、しみるようになった」と戸惑いますよね。多くは経過とともに落ち着きますが、つらさや続く期間には違いがあります。無理に耐えず、どの歯が、何をしたときにしみるのかを伝えましょう。状態に応じて、知覚過敏への処置やお手入れの方法を相談できます。
麻酔を使った日は、感覚が戻るまで食事を控え、熱い飲み物によるやけどや、頬・唇をかむことに気をつけましょう。歯みがきは強くこすらず、処置した場所に合った方法を歯みがき指導で確認してください。痛みが強くなる、腫れが増える、出血が止まりにくい場合には、次の予約日を待たず医院へご連絡ください。
歯石を取ったあとは「再評価」で変化を確認
SRPは、処置をして終わりではありません。歯ぐきが落ち着く期間をおいて再評価を行い、歯周ポケットの深さや出血、お手入れの状態などを治療前と比べます。「以前より歯みがきのときに血が出にくい」といった日常の変化も、ぜひ教えてください。
例えば、最初に深いポケットがあった場所でも、治療後の深さや出血の変化によって、次の対応は異なります。炎症や深いポケットが残る場合には、状況に合わせて歯周外科などを相談します。数値一つで決めるのではなく、検査結果やご希望をもとに、今後の方針を一緒に考えましょう。
歯周外科については、関連記事「歯ぐきの手術をすすめられたら、一緒に確認したいこと」でもご紹介しています。状態が安定したあとは、ご自身に合った間隔でメンテナンスを続けていきましょう。
「痛みが心配」も、大切なご相談です
歯周病治療で大切にしたいのは、歯石を取ることだけでなく、その先も食事やお手入れをしやすいお口を保つことです。福岡市南区曰佐の福岡南区あつみ歯科医院では、治療への不安も伺いながら、お口の状態に合った進め方をご相談しています。
「必要だと分かっていても、怖くて一歩を踏み出せない」。そんなときも、まずは気になることを言葉にするところから始めましょう。歯ぐきの出血や腫れ、歯石取りの痛みについて、ご予約の際や診療時にお気軽にお聞かせください。
参考資料
- 日本歯周病学会:歯周病の治療 Q&A(痛み・知覚過敏の説明)
- 日本歯周病学会誌:SRPの実際(処置・歯みがき指導・再評価)
- Kent Community Health NHS:Professional mechanical plaque removal(局所麻酔・治療後の注意点)
資料確認日:2026年10月6日